掲載日時 1988/01/01
症例:乳酸菌分離・同定
東南アジア地域の伝統的アルコール飲料から乳酸菌の分離と同定を行いました
Japanese Journal of Dairy and Food Science. 37, No.1 (1988)
The isolation and identification of lactic acid bacteria from traditional alcoholic drink in Southeast Asia.
東南アジア地域の伝統的アルコール飲料における乳酸菌の分離と同定
【目的】
東南アジア地域で伝統的に愛飲されているアルコール飲料の代表的なものとして、ココナッツワインおよびライスワインを選び、微生物叢の調査および乳酸菌の分離・同定を行いました。
【方法】
ココナッツワイン、ライスワイン試料から各15株を単離し、乳酸菌の選定を行い、得られた乳酸菌に対して同定試験を行いました。
【結果】
ココナッツワインから3株、ライスワインからは10株の乳酸菌を獲得しました。同定試験の結果、ココナッツワインから10%エタノール耐性と50℃耐熱性をもち、酸凝固性の低いスクロース発酵性のあるOenococcus oeni 1株および、45℃で生育しないLactobacillus alimentarius 2株が分離されました。ライスワインからは耐塩性、耐熱性が高いTetragenococcus halophilusおよびPediococcus acidilacticiと推定される3株、45℃で生育するLactobacillus curvatus 1株、Lactobacillus coryniformis subsp. coryniformis
2株およびLactobacillus casei subsp. casei
1株が分離されました。