掲載日時 1993/01/01
症例:乳酸菌分離・同定
Journal of Food Science and Technology. 40, 316-322 (1993)
Screening for lactic acid bacteria transforming fumarate to L-malate and some properties of selected strains.
フマル酸からのL-リンゴ酸生成能を有する乳酸菌の探索とその性質
【目的】
微生物が生産する有機酸の1種であるL-リンゴ酸は、発酵食品だけでなく果汁や清涼飲料水などの呈味・酸味成分として重要な役割を果たします。様々な乳酸菌において、フマル酸からのL-リンゴ酸生成能を比較しました。
【方法】
各菌体懸濁液とフマル酸などを混合した反応液における、L-リンゴ酸の生成量を酵素法により定量しました。また、最適pH、培養温度、食塩濃度などについても検討しました。
【結果】
Lactobacillus属には高いL-リンゴ酸生成能をもつ菌株が多く含まれていました。そのうち、Lactobacillus delbrueckii subsp. lactis 1135とLactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus
7235におけるフマル酸からL-リンゴ酸生成の至適pHはそれぞれpH 7とpH 6であり、両菌株とも30℃から45℃の範囲で高いL-リンゴ酸生産能を示しました。また、食塩濃度はそれぞれ10%、3%の時にL-リンゴ酸生産量が最大となりました。
Last updated 2024/01/23